長いぞ!
先日、自立支援医療(精神科は1割負担になる制度)の更新に伴って、診断書を新しく出してもらった。
今まで診断名が双極性障害(そううつ)だったが、うつ病に変わっていた。
何が変わったのだろうか。
わたしのほうで変わったことといえば、薬が変わったことで感情の起伏がかなり落ち着いた。
これは生まれ持った性質なのか、病気のせいなのかは不明だが、今までかなり感情の起伏が酷かった。
例えるなら、感情の起伏を図に表すとすればさながら心電図のような図になるような…
さっきまで酷く落ち込んでいて、世界が終わるような気分だったにも関わらず、面白い動画が目に入ってくればケラケラと声を上げて笑う。
一人暮らしだしあまり人と一緒にいないので気づかなかったが、自分が隣にいたら、ころころ感情が変わるのでわりと異常にみえると思う。
うつの真っ只中にいた時に書いたブログと漫画で、つらいとか苦しいとか思っていても、表面上は取り繕って元気なふりをする、といった記述をした。
あれは自分のことが見えていなかった部分もあるので、いま訂正させてほしい。
前提として、つらいとか苦しいとか思う自分はたしかに存在している。
しかし、いつもそれを取り繕ってニコニコしているかと言われると少し違う。
人前に出たり、友達と一緒にいる時間は確かに楽しいと感じているし嬉しいと思っている。
その時の感情は、確実に上を向いているし、本当の気持ちだ。
目の前のことでいっぱいいっぱいで、負の感情に目を向ける暇もなく、楽しい時間を心から楽しく過ごしている。
そしてふと一人になった時、今まで忘れていた負の感情が溢れ出てきてまたしんどくなる。
楽しい私も、つらい私も、同時に存在しているけれども、発現するのは時と場合によって異なる。
どちらも本当のわたしだ。
だから本当のわたしを隠している、と述べた昔の記事は間違っている。
隠しているのではなく、ただ楽しさの中にいて、負の感情なんか忘れちゃっているだけだ。
あの記事は周囲の人のことすら蔑ろにしているし、楽しい思いをした時間、楽しかった私のことすら蔑ろにしている。
大変愚かだった。心から反省しています。
友達に注意されて、初めて気づいたことだったが、うまく言葉にできなくて今まで時間がかかってしまった。遅くなってごめんね。
こういった考察が、最近はかなりできるようになってきた。
しんどい時はなかなか難しいが、乗り越えて冷静になった時に、どうしてしんどかったのか考察したり、対策できないか作戦を練ったりしている。
どうしてこんなふうに変わってきたのか考えると、薬が変わったことがひとつの理由だと思う。
今年の1月ころから、ラツーダという薬を飲むようになった。(薬の詳細: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068698 )
この薬は近年でた新しいもので、従来からある抗うつ薬とは全く異なる性質のもの、らしい。
いろんな薬を試してきて変わり映えしなかったわたしが、この薬と出会った結果、なんとかなり落ち着いた。
今までと異なる点といえば、感情の起伏の速度だ。
ジェットコースターのような速度で変わりゆく感情が、観覧車くらいの速度になった。
これは自分でもビックリなのだが、一日の中で目まぐるしく変わる感情、というのが普通だったのが、2〜3日間隔でゆっくり移りゆくようになった。
目の前しか見えないのは今も変わっていないけれど、心の底を流れる大きな流れが、かなり緩やかに変わった。
しかも、振れ幅も緩やかになったから驚きだ。
高低差でいうと、高い時は世界中の全てが愛おしいような、なんでもできるような気分で、低い時はこの世の終わりのような、もう救いのないような気分だ。
耳キーンなるわ。
それが今では、高い時も低い時ももちろんあるが、余力を残して楽しく感じるし、まだ余裕があるくらいに落ち込むようになった。
プラシーボ効果もあるんだろうけど、薬を飲んだことによってこうも変化したのだから、ラツーダとお医者さんには感謝しなければならない。
以前病院の先生に、精神病患者の感情の起伏が減ったことで、人生がつまらなく感じる人も一定数いると聞いたことがある。
落ち込みも酷いが、楽しい時の振れ幅も大きいから、らしい。
今のわたしはどうだろうか。
ほどほどの感情とともに生きれて、以前より幸せだと思う。
心に振り回されて、全てがままならなかったあの頃より、よっぽど幸せだ。
そういう意味でも、薬が合っているといえるのかも。
相性のいい薬と出会えて本当によかったな〜と思う。
ただ、副作用で、飲むとしばらくソワソワしてムズムズしてしまうのが難点だ。
この前夜行バスに乗る前に飲んだら、バスでもしばらくソワソワしてしまってちょっとキツかった。
一長一短なこの薬と、付き合って生きていけたらいいな〜。